日本語(にほんご)のリズム
“2モーラを一(ひと)つにまとめる”感(かん)じで
★日本語は「モーラ拍(はく)リズム(mora-timed rhythm)」の言語(げんご)です。
♪「かな」一つを“同(おな)じくらいの長(なが)さ”(=1モーラ)で発音(はつおん)します。
例)朝「あさ」は2モーラ、「リズム」は 3モーラ、挨拶「あいさつ」は 4モーラ。
♪拗音(ようおん)は「かな + ゃ/ ゅ /ょ」で1モーラです。
例)趣味「しゅみ」は2モーラ、会社「かいしゃ」は3モーラ。
しかし、「あ、さ」「リ、ズ、ム」「あ、い、さ、つ」「しゅ、み」とは言(い)いません!
☞「あさ」「リズ・ム」「あい・さつ」「しゅみ」と “2モーラを一つにまとめる” 感じで発音します。
♪特殊音(とくしゅおん)「長音(ちょうおん)“-”・促音(そくおん)“っ”・撥音(はつおん)“ん”」の長さも1モーラです。
☞「かな+特殊音」 も“2モーラを一つにまとめる”感じで発音します。
★四角(しかく)い記号(きごう)は「RD図(アールディーず)」(リズムダイアグラム)」といいます。
「リズム型(がた)」と「典型(てんけい)モデル」
★語の“長さの並(なら)び方(かた)の特徴(とくちょう)” を「リズム型」といいます。
例)朝「あさ」趣味「しゅみ」は2型、「リズム」は21型、「あいさつ」は22型。
☞どんな語も「リズム型」であらわすことができます。
★リズム型の代表(だいひょう)の語を「典型モデル」といいます <図1>。
(下線(かせん)は“かな+特殊音”、○は“母音(ぼいん)の無声化(むせいか)”をあらわします。)
図1 リズム型と典型モデル
♪典型モデルを3回(かい)続(つづ)けて発音しましょう。3回続けることで、語の“長さの並び方の特徴”がよくわかり、適切(てきせつ)な長さで発音することができます(「連続(れんぞく)リピート法(ほう)」といいます)。他(ほか)の語にも広(ひろ)げて練習(れんしゅう)できます。
例)きょう(2型)→ きょう|きょう|きょう → しゅみ│しゅみ│しゅみ
♪ビートを感じて同じ速(はや)さで言うことが大切(たいせつ)です。
母音(ぼいん)の無声化(むせいか)
リズム型は「かな」からすぐにわかる!
例)ありがとう、あした
①特殊音があるとき、「かな+特殊音」を、まず最初(さいしょ)にまとめます(例:ありが・とう)。
②次(つぎ)に、語の最初から2モーラずつまとめていきます(例:あり・が・とう)。
特殊音がないときも、語の最初から2モーラずつまとめます(例:あし・た)。
③余(あま)りは1です(例:あり・が・とう→212型、あし・た→21型)。
♪最初にまとめる2モーラを“黄色(きいろ)または白(しろ)”、次に、隣(となり)が“緑(みどり)または黒(くろ)”になるよう並(なら)べます。
日本語のアクセント
四(よっ)つの「アクセント型(がた)」がある
★日本語は「高(たか)さアクセント(pitch accent)」の言語です。共通語(きょうつうご)では、それぞれの語について“高さの並び方”が決(き)まっています。
♪急(きゅう)に低(ひく)くなるところを“下(さ)がり目(め)”といいます(例:家族「かぞく」では、「か」から「ぞ」で急に低くなります)<図2>。
♪四つのアクセント型がありますが、このサイトでは【a】【b】【b’】【c】の記号(きごう)で呼(よ)びます。
☞【b】型には“下がり目”がありません。【a】【b’】【c】型は“下がり目”の位置(いち)が異(こと)なります。
( □ は助詞(じょし)をあらわします。)
図2 21型の名詞のアクセント
★階段状(かいだんじょう)の記号は「AD図(エーディーず)」(アクセントダイアグラム)」といいます。2002 年に鹿島 央(かしまたのむ)名古屋大学名誉教授(なごやだいがくめいよきょうじゅ)が考案(こうあん)しました。
★語のアクセントには次のような規則性(きそくせい)があります。